降伏とは(一級建築士試験構造力学)

一級建築士

断面に加わる応力

以下の図のようなH形鋼が地面に固定されている。ただし材料自身の重さは考慮しない。このとき鉄骨断面ではどのようなことが起きているのか。まず線材として考えるとモーメント図は以下のようになる(たわみを求める(片持ち梁))。この時、Qhのモーメントが働く柱脚では図のように断面に応力が働く。フランジの縁ほど大きい応力度となり、ウェブの中央(断面の中立軸)では応力度は0となる。

ではこの時のフランジ端の引張縁の応力度はどのくらいなのかを調べる。曲げと圧縮力を受ける構造物と同じようにそこに働くモーメントを断面係数で割ることで求めることができる。

断面係数は(断面二次モーメント)/(中立軸からの距離)で求まる。今回は中立軸からの距離は2bだが、中立軸からb離れた箇所(ウェブとフランジの境目)の応力度を求めたいときはbで割る。

今回、Qの値を徐々に大きくしたとすると、σはいずれ降伏応力度σyに到達する。σyは鋼材が降伏する際の応力度で、鋼材の種類(SN400やSN490など)でそれぞれ決まっている。さらにQを大きくすると応力度分布は四角形となる

試験との繋がり

今回は、一級建築士試験の構造の1問目に絡んでくるテーマです。構造力学は解き方を暗記することである程度攻略はできますが、今回のように公式の成り立ちの過程など、材料に起きている現象や働いている力が理解できていれば、少しひねられた問題が出題されても対応できるようになります。もし、これを見て、これはどうなっているのか新たな疑問が出たら自分で調べてみましょう。特に学生のうちは身の回りに教授というプロフェッショナルがいるので積極的に理解できるまで聞いてみましょう。

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