曲げと圧縮力を受ける構造物

一級建築士試験(Ⅳ)一問目

以下の図のように、Pの力で圧縮、Qの水平力を受ける高さhの構造物がある。柱脚は固定されている。これを上から見るとD×Bの長方形断面である。この構造物の柱脚の圧縮縁応力度と引張縁応力度を求めよ。

これは一級建築士構造分野の一問目に頻繁に出てくるタイプの問題ですね。

まず何をイメージするか。①のPの圧縮力により柱脚に発生する圧縮応力と、②柱脚に発生するQhの曲げモーメントにより柱脚に発生する応力度(圧縮、引張)を求めて足し合わせると言うこと。

①は簡単でPを断面積BDで除すだけ。

②が少しやっかい。ここで公式を使う。モーメントMが作用する部分において縁に発生する応力度はM/Z_bとなる。Z_bは断面係数という。圧縮応力度は（力/面積）、曲げ応力度は（モーメント/断面係数）となる。

そして断面係数Z_bをどう求めるかというと、I/(B/2)断面二次モーメントを中立軸から縁までの距離を除した値である。今回の長方形断面でいうとDB²/6である。これにより圧縮縁、引張縁ともに6Qh/DB²の応力度が作用する。①と②の図を足し合わせることで問題の解答が得られる。

実際の試験では今回で言うところのPやQを求めさせるのが多いかもしれない。σは与えられていたりする。