飯田線の旅スタート
今日は6時過ぎに宿を出ます。外は真っ暗です。歩くこと30分。駅に着くころには明るくなってきています。とにかく寒い。
飯田線は秘境路線と言うけれど、結構利用者がいるのね。伊那谷に家が集まっているので高校生中心に大人気です。そして、すぐに止まるので寒い。暖房ついてるのか??
やっぱり車掌が大変そう。ほとんど定期だから確認は楽だけど、僕みたいな変な切符を持っていると確認にも時間がかかるだろうし。切符持ってなかったら精算しないといけないし。そのため、駅間では車掌が車内を回り、切符を持っていない人の精算を行います。
比較的空いてくると、駅間に乗客の切符をチェックしていきます。ここで僕も確認に来ます。終点の天竜峡まで乗り通すことを伝えます。
今回は飯田線を楽しみつくします。小和田駅で下車して塩沢集落に行き、次は隣の大嵐駅で下車して夏焼集落に向かいます。18時半頃に豊橋に到着します。
緊急事態発生
飯田線にはJRの最急勾配が存在します。そんなことを楽しみながら飯田に到着のアナウンス。
ここで聞き捨てならないワードが。「この列車から接続する天竜峡発豊橋行きの列車は中井侍‐小和田間の倒竹の影響で運休します」突然のアナウンスに動揺しながら飯田駅に到着。すると先ほど切符を確認してくれた車掌さんが僕のもとにきてわざわざ説明してくれました。天竜峡まで行っても何もないので飯田で降りたほうがいいですよと。次、豊橋に抜ける電車は天竜峡で待っても、飯田で待っても同じ電車になるらしい。それならと降りました。どうやら、倒竹なら比較的すぐに復旧するらしい。数時間単位で復旧できると思っていなかったのでひと安心。本気で数週間不通になるのかと思っていました。
そこからは駅員に確認し計画を練り直す。乗ろうとしていた各駅停車と次の伊那路が運休。そこからはおそらく復旧する可能性が大きいらしい。とにかく飯田駅で3時間以上の足止めです。
それにしても、不幸中の幸いが一つ。下山村ダッシュしなくてよかった。飯田駅前後に位置する伊那上郷駅から下山村駅。この駅間は走れば電車より早いらしいので伊那上郷で降りてダッシュして再び下山村駅にて同じ電車に乗るという行為があります。
これをやっていたら運休を知らずに下山村駅で待つことになっていました。恐ろしいことになっていたかも。
ここからの予定変更。
まず次の電車に乗り大嵐駅で下車し、夏焼集落を探索。
そこから一駅戻って小和田駅で下車。さすがに、時間的に塩沢集落までは行けなそうなので小和田駅周辺を探索。
次の豊橋行きで豊橋に向かいます。
飯田駅探索

予定が決まったので飯田を探索しに行きたいと思います。
まずはトイレに行きたい。飯田駅のトイレに向かうと、、、和式。もう一つは使用中なので不明。
バリアフリートイレを覗くと、冷たそうな便器。。。
これなら、近くのコンビニでした方が良さそうだな。グーグルマップで調べる。
すると、駅の目の前にツルハドラックがあるらしい。見た感じないけど、行ってみるとありました。なんか目立たないと思っていたら、田舎にあるような一棟ツルはドラックじゃなくて複合施設の1階のテナントとして入っていました。しかも結構きれいな建物。これは期待できる。
そして期待通りキレイなトイレでした。
飯田駅を利用する方はツルハドラックのトイレがおすすめです。ただ、営業時間だけ。そしてなにか買ってあげよう。
トイレを済ませていざ出発。たしか、動物園があったはず。地図で調べて10分ほどで到着です。なんとここ入場料無料です。なのに、ペンギンがいるし、猿山もあるし結構見ごたえがある。所々で餌を売っているけど、無料で入っているのでせっかくだし、ヤギと羊にあげることにしました。200円です。
ペンギンはちょうど餌の時間に見ることができました。

そして、雰囲気のありそうな映画館がマップに乗っていたので向かうことに。動物園からすぐです。
おー、古いのかな?よく分からないけど映画館の向かい側の広場にD51 が保存されていました。いろんな所に保存されているけどこんなにボロボロのD51 は初めて見ました。管理の仕方なのか、もともとなのかそれは分かりません。
さらにぶらぶら歩くとなんだか木造のおしゃれな建物、近づいてみてみると自由に入れるらしい。入ってみると管理人らしき方が案内をしてくれる。どうやら国の事業でその土地にあったエコな住宅を建てているらしい。これも期間があってあと数年で終了するので解体されるらしい。それこそノットエコだね。
内部は気密性が高くとても暖かい。震災前に建てたのでオール電化で、停電時のエネルギー確保には難あり。暖房はペレットストーブだけだが、とても暖かい。ただ、これもコンセントを挿さないと使えない。
煙突はなく後ろの排気口から直接外に出している。この排気がとても暖かい、エコを謳うならコジェネ的なこと出来そうだけどな。
駅に戻り電車出発の1時間前。この先、食料がないと不安なので、昨日買った昼食とは別に駅に出店している店のクロワッサンを購入。
大嵐駅
駅の改札が開き、ホームに出ます。少しすると2,3番線に行く跨線橋の入り口にロープが張られました。間違えて違うホームに行かないようにね。

そしていざ乗車。今回も同じく、車掌が切符の拝見に。豊橋まで行きますか?と聞かれ大嵐で降ります。と伝え大嵐での降車はスムーズです。
他の秘境マニアが降りたら嫌だなーと思いながらでしたが降りたのは僕一人。廃村を一人で満喫できます。
電車は行ってしまった。もう進むしかない。とは言いつつも、そこから行ける夏焼集落が珍しいだけで大嵐駅自体は秘境駅でもないんですよね。
実際に駅近くの橋は工事中で作業員もそれなりにいました。橋を渡れば村があります。

そして駅の目の前には駐輪場。ネット情報だとこの自転車をレンタルできるらしい。ネットでみた方法は2種類で電話してロック解除ナンバーを教えてもらう。ただ最近は100円でガチャを回し、そこにキーナンバーが入っているらしい。
ありました、ガチャガチャ。だけど値段は300円でした。
実はこの情報を見たときに100円玉が1枚もなかった僕はツルハドラックに行きコーヒーを買って100円をゲットしていました。もし、ネットの情報を信じていた僕が100円玉1枚を持っていたらきっとコーヒーなど買わずに100円玉が足りないことに絶望していたでしょう。
もし300円なかったらどうすればいいのだろう。皆さん気を付けてください。100円玉は多めに持って行きましょう。
もしなかったら。工事中の作業員に土下座してでも交換してもらったと思います。
自転車を入手していざ出発。集落は橋の反対方向です。いきなり右手に旧大嵐駅が見えます。
そして早速トンネルが姿を現す。一つ目は短くすぐにくぐれます。問題は次のトンネル。長すぎて反対側が見れません。ただ、電気は付いているのでなんとかなりそう。米原の洞窟のほうが暗かった!!けど、長さは圧倒的に違うのでビビる。
いざ突入すると意外と明るい。と思ったのも最初の20秒ほど。電灯はあるものの電灯と電灯の間は結構暗い。自転車で駆け抜けていくのでなんとか行けますが歩きじゃ絶対に無理。怖すぎる。しかも最初は綺麗な表面でしたがところどころ岩がむき出しで凸凹した表面なのが不気味。運が悪いと上からの水滴が直撃します。反対側の光が見えてきてもなかなかたどり着かない。怖すぎる、戻るにしても引き返すにはもう遅いので進むしかない。そして遂にトンネルを抜けネットで見たことのある景色。左に行くとヤマザキパン、通行止め。右が夏焼集落への道。ヤマザキパンの横にチャリを置き、ここからは徒歩で探索スタート。

しかし本当に陸の孤島だ。最後の住民が時々手入れしに来ているらしいけど、車もなかったから今日はきっといないでしょう。ここからは地味に登りです。例のトロッコがあり、つづら折りに上っていく。こんなに登るとは思わなかった、だけどここから見る天龍川はめっちゃきれいです。でも本当はここからは下の集落が見えていたのかな??
どうしても佐久間ダムができる前を想像してしまい、心がキュッとなる。
ようやく一件目に到着です。ネットによるとこれが手入れされている家。確かにここだけ綺麗に保たれている。家と家の間を進み5、6件過ぎるとトロッコのレールが現れそれをくぐるとあと少し。トロッコの終点があり、さらに上に進むと祠?神社があります。急ぎ目に上ったのもあり汗だくです。

本当にきれいな景色。
初めて感じるこの感覚。本当に数年前まで人が住んでいたのか~。
帰りは下るだけ、ただ途中で気になった分かれ道があったので進んでみると石階段の上に鳥居がありました。まさかこっちが本社だった?
トロッコのレールをくぐったところをレールに沿って下がっていくとあります。
りっぱな階段。集落全体がそうだけど、よくこんな石段作ったな。昔の人すごすぎる。
本当にここからは下るだけ。川の反対側には道路が見えます。
あっち側からも見てみたいな。
帰りは下りなのであっという間でした。
ただ、ここからがきつかった。
勝負は帰りのトンネルです。行きはスイスイ漕いでいきましたが、帰りが若干上りであるということに気付きます。明らかにシンどさが違う。行きと違い、漕がないと止まってしまう。早く抜けたいので全力で漕ぐもケツの筋肉が限界を迎えている。途中で休もうとするが怖いから嫌だ、そしてもう一つ気付いたことが。自転車の明かりがあるので漕げているが、自転車を止めたら結構暗くなってしまうのでは?なおさら止まるわけにはいかない。そしてなんとか抜けます。先に出口が見えるけど距離感が掴めず、なかなか着かないのがすごく怖い。帰りトンネルを抜けるのに5分程こぎ続けました。もとは鉄道が通っていたわけだから、そりゃ長いよな。
とにかくこの世界と異世界とを繋ぐトンネルのようにも思えてきました。
少し時間があったので橋の向こう側にも行ってみることに、橋の向こうは愛知県です。向かい側の集落の役場まで行ったけど、特に何もない。もっと行けばなんかあるらしい。自転車のガチャガチャにはそこで使える割引券も入っていました。
例のごとく駅ノートを書きクロワッサンとコーヒーでエネルギー補給。谷ということもあり少し暗くなってきたかな。まだ16時です。
大嵐駅はバス停もあり、ハイエース級のバスが来ているのも確認しました。郵便配達員は駅のポストの中身を回収に来ています。と思ったら駐輪場の端にある倉庫にバイクをしまい駅の待合室に。まさか鉄道で届けるの???
しかし電車が来て、しかも上下線の待ち合わせ駅ということもあり写真に夢中になっていると配達員を見失いました。同時に車掌から小和田駅までの往復切符を購入。
小和田駅
一駅で下車します。電車が行ってしまった。帰りの電車まで約1時間40分です。これから暗くなってくるので、遠くから探索することに。まずは、神社に向かいます。お茶工場?の廃屋の間を抜け左側に進みます。道が合っているか分からないけどピンクの印がありました。そして、岩が転がり、水が流れる場所にはロープがかかっているので便利。まあ使わなかったけど。そこを超えればあとは道になっているし、ピンクの目印が案内してくれます。

途中途中に瓶とサンダルが散乱。これは当時この周辺に住んでいた人のものなのだろうか、集落がダムに沈む前はどういう場所だったのだろう。いろいろ考えてしまいます。しかし足元はしっかり見てください。落ち葉で滑りやすい箇所もあります。神社の前にも大量の瓶。
お参りをして足早に戻ります。
川の近くまで下りられるので降りてみます。しかし本当に静か。静かすぎて怖い。ところどころにある農機具やバイクが当時と今の懸け橋に。だってわざわざ車がこれない場所に現代の人が不法投棄するわけないもんね。
お茶工場?には鍋ややかん、食器があり生活感が漂う。まだ時間はあるので塩沢集落方面にも行ってみることに。しばらく舗装道が続きます。15分くらいで、右上に廃屋が見えてきて高瀬橋との分岐。

せっかくなら高瀬橋まで行くことに。何台バイクがあるんだ。ミッケみたい「バイクが三台」
ここからが地味に長い。早くしないと暗くなってしまうので早歩きで進む。5分ほどで着きます。体感的にはもっと長く感じた。
完全に途切れた高瀬橋。このあたりから急に暗くなってくる。恐怖を感じました、下は落ち葉で暗くて見にくい。一歩踏み外せば落ちます。絶対に明るいときに行ってください。
ただ分岐まで戻ると、少し開けるのでまだましかも。ただ、自分の近くに誰もいないっていう経験はなかなかないので本当に恐怖。
少なくとも自分の半径1キロ以内には誰もいないはず、もっとかな?塩沢集落の人がいるか?
高瀬橋から走りもいれて15分ほどで駅に戻ってくる。歩いたら20分+αかかると思う。
駅に着くころには外は暗い。あと30分でも遅ければ暗すぎて危険だったかも。いや十分危険だったか。
ここからは反対方向の電車を見送り、駅ノートを書いたり、電気のついた駅舎で過ごしました。「ヤマビル注意」冬もいるんかな??
駅ノートがすごい昭和の時代から残っている。昔の人は皆達筆だな。これを読むだけであっという間に時が過ぎます。
ホームに立つと物音ひとつしない、たまに聞こえるのは動物の声だけ。
すると、トンネルの切れ目を通ったのであろう電車の音が遠くから聞こえてきます。
しばらくするとトンネルの奥から音がして、迎えの電車がやってきました。これ、知らない間に運休とかになってたら怖すぎるだろ。
電車はトンネルを一気に進み水窪駅へ。
宿へ

帰りの電車が結構長い。浜松よりだからすぐだと思っていたら駅間も短く、すれ違いも多いので2時間半程かかり豊橋駅へ。宿は豊橋か浜松かで迷い浜松にすることに。さわやかに行きたかったけどラストオーダーの9時には間に合いそうにないので浜松らしく浜松餃子。駅に入っている「石松餃子」さんへ。とっても優しい味でした。腹ペコだったのでガツガツ行きたかったけど、あまりパンチがない。これが浜松餃子なのか?キャベツの甘みがあり美味しいけど、今じゃない!!石松って聞くとガッツ石松→ガッツガツのイメージで行き過ぎた。でも美味しかったです。ニンニクとか入ってないのかな??
それともう一つ、なんとなく餃子定食頼んだけど、餃子とライスで頼んだほうが安い。定食だとみそ汁と漬物が付くけど、安さのためなら要らないし。完全に「定食お得ですよ詐欺」に引っ掛かりました。

今日の快活は駅の目の前です。あまり寝れていないので今日はちゃんと寝ようかな。
駅の目の前過ぎて新幹線の通過する音がすごい聞こえる。
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